高配当銘柄(追加候補): 財務分析¶
概要¶
地政学リスクによる株価下落局面では、配当利回りが相対的に上昇する。既存の高配当銘柄(JT・INPEX・KDDI等)に加え、NISA成長投資枠での配当非課税メリットを最大化できる追加候補を分析する。選定基準は以下の通り。
配当利回り3%以上
連続増配実績または累進配当方針
イラン攻撃後の下落耐性
イラン攻撃前後の株価推移¶
騰落率サマリー¶
コード |
銘柄名 |
攻撃前終値 (2/27) |
直近終値 (3/5) |
騰落率 |
52週高値 |
52週安値 |
52週位置 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
三菱HCキャピタル |
1,514 |
1,454 |
-4.0% |
1,542 |
871 |
86.9% |
|
ソフトバンク |
214 |
210 |
-2.0% |
248 |
192 |
30.7% |
|
NTT |
153 |
150 |
-2.0% |
167 |
135 |
46.9% |
|
東京海上HD |
6,527 |
6,192 |
-5.1% |
6,710 |
4,355 |
78.0% |
|
商船三井 |
5,798 |
6,034 |
+4.1% |
6,161 |
4,293 |
93.2% |
通信セクター(ソフトバンク -2.0%、NTT -2.0%)はディフェンシブ特性により下落幅が小さい。商船三井(+4.1%)はホルムズ海峡封鎖による運賃上昇期待から逆行高。東京海上HD(-5.1%)は金融株全般のリスクオフで調整。
日次終値推移(2/17〜3/5)¶
日付 |
三菱HCキャピタル (8593) |
ソフトバンク (9434) |
NTT (9432) |
東京海上HD (8766) |
商船三井 (9104) |
|---|---|---|---|---|---|
2/17 |
1,476 |
214 |
153 |
6,248 |
5,152 |
2/18 |
1,526 |
214 |
153 |
6,478 |
5,228 |
2/19 |
1,539 |
213 |
152 |
6,421 |
5,415 |
2/20 |
1,504 |
210 |
151 |
6,475 |
5,441 |
2/24 |
1,496 |
209 |
151 |
6,340 |
5,505 |
2/25 |
1,487 |
210 |
151 |
6,373 |
5,495 |
2/26 |
1,495 |
210 |
152 |
6,481 |
5,691 |
2/27 |
1,514 |
214 |
153 |
6,527 |
5,798 |
3/2 |
1,508 |
213 |
152 |
6,361 |
6,049 |
3/3 |
1,473 |
211 |
152 |
6,119 |
6,006 |
3/4 |
1,419 |
211 |
151 |
6,023 |
5,898 |
3/5 |
1,454 |
210 |
150 |
6,192 |
6,034 |
テクニカル指標(3/5時点)¶
コード |
銘柄名 |
RSI(14) |
5日MA乖離 |
25日MA乖離 |
BB位置 |
出来高比 |
判定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
三菱HCキャピタル |
45.3 |
-1.4% |
+0.4% |
52% |
1.4倍 |
中立 |
|
ソフトバンク |
41.8 |
-1.0% |
-1.2% |
19% |
1.0倍 |
やや売られすぎ |
|
NTT |
34.9 |
-1.1% |
-1.9% |
5% |
1.1倍 |
やや売られすぎ |
|
東京海上HD |
48.0 |
-0.8% |
+0.7% |
54% |
1.1倍 |
中立 |
|
商船三井 |
81.8 |
+1.3% |
+13.5% |
95% |
1.5倍 |
過熱 |
注釈
指標の読み方
RSI(14): 70超 = 買われすぎ、30未満 = 売られすぎ、30-70 = 中立圏
MA乖離: 移動平均線からの乖離率。正 = MAより上(強気)、負 = MAより下(弱気)
BB位置: ボリンジャーバンド(25日±2σ)内の位置。0%=下限、100%=上限、範囲外は統計的に異常
出来高比: 直近5日平均/25日平均。1.5倍超は出来高急増を示す
判定: RSI・25日MA乖離率・BB位置を総合した過熱/売られすぎの評価
ソフトバンク・NTTは「やや売られすぎ」。両社ともBB位置が下限付近(19%、5%)にあり、通信セクターの安定収益力を踏まえると押し目買いの好機。特にNTTはBB位置5%と極端に売られた水準にある。
商船三井は「過熱」。RSI 81.8、BB位置95%と明確な過熱シグナル。ホルムズ海峡封鎖の影響で海運株に資金が流入しているが、短期的な利益確定リスクに注意。
財務指標¶
コード |
銘柄名 |
PER (予) |
PBR |
ROE |
配当利回り |
連続増配 |
|---|---|---|---|---|---|---|
三菱HCキャピタル |
13.07倍 |
1.09倍 |
7.78% |
3.16% |
27期 |
|
ソフトバンク |
18.49倍 |
3.52倍 |
20.55% |
4.08% |
— |
|
NTT |
12.91倍 |
1.30倍 |
9.97% |
3.50% |
14期 |
|
東京海上HD |
11.55倍 |
2.20倍 |
20.58% |
3.25% |
— |
|
商船三井 |
10.26倍 |
0.76倍 |
16.88% |
4.51% |
— |
商船三井(PBR 0.76倍)はPBR1倍割れで割安。ソフトバンク(ROE 20.55%)と東京海上HD(ROE 20.58%)は資本効率が高い。財務指標はYahoo!ファイナンスより取得(2026年3月6日時点)[3]。
三菱HCキャピタル (8593) 詳細¶
基本情報¶
項目 |
内容 |
|---|---|
コード |
|
市場 |
東証プライム |
セクター |
その他金融業(リース) |
直近株価 |
1,454円 (3/5) |
52週レンジ |
871 〜 1,542円 |
業績推移¶
26年3月期Q3累計: 純利益1,349億円(前年同期比+55.1%)[1]
不動産の大口アセット売却益、航空セグメントの伸長、海外事業改善が寄与
27期連続増配を予定: 年間配当45円(前期比+5円)[2]
年間配当は27年で56倍に増加
投資判断のポイント¶
27期連続増配は日本株でもトップクラスの実績。累進配当方針により減配リスクが極めて低い
PBR 1.09倍は適正圏。リース事業の安定性と成長性を考慮すると再評価余地あり
攻撃後の下落率-4.0%は市場平均より小幅で、下落耐性を示す
配当利回り3.16%はNISA非課税で実質的に3.95%相当(税率20.315%換算)
ソフトバンク (9434) 詳細¶
基本情報¶
項目 |
内容 |
|---|---|
コード |
|
市場 |
東証プライム |
セクター |
情報・通信業 |
直近株価 |
210円 (3/5) |
52週レンジ |
192 〜 248円 |
業績推移¶
26年3月期Q3累計: 売上高5兆1,954億円(前年同期比+8.0%、過去最高更新)、純利益4,855億円(同+11.2%)[4]
全セグメントで増収を達成
年間配当: 8.6円(配当利回り4.08%)
株主優待: PayPayポイント1,000円分(1年以上継続保有)
投資判断のポイント¶
配当利回り4.08%に加え、株主優待を合わせると実質利回りは約9%超 [5]
通信事業のストック型収益が安定基盤。地政学リスクに左右されにくい
52週位置30.7%は年初来安値圏に近く、割安感が出ている
テクニカルは「やや売られすぎ」でBB位置19%。押し目買いの水準
NTT (9432) 詳細¶
基本情報¶
項目 |
内容 |
|---|---|
コード |
|
市場 |
東証プライム |
セクター |
情報・通信業 |
直近株価 |
150円 (3/5) |
52週レンジ |
135 〜 167円 |
業績推移¶
14期連続増配を達成 [6]
配当利回り3.50%
NTTグループ全体でのデータセンター事業拡大が中長期の成長ドライバー
25株分割(2023年7月)により1単元15,000円程度で購入可能。NISA少額投資に最適
投資判断のポイント¶
BB位置5%は5銘柄中で最も売られすぎの水準。テクニカル的にはリバウンドが期待できる局面
1単元15,000円で購入可能なため、NISAの成長投資枠の端数調整にも使いやすい
14期連続増配の実績と、通信インフラとしての安定性がNISA長期保有に適合
IOWN構想(光電融合技術)やデータセンター事業が中長期の成長テーマ
商船三井 (9104) の留意点¶
商船三井は配当利回り4.51%と高いが、以下の点に注意が必要。
テクニカルは「過熱」判定。RSI 81.8、BB位置95%。短期的な利益確定リスクが高い
ホルムズ海峡封鎖で運賃が急騰しているが、情勢が収束すれば反落リスクがある
海運業は景気敏感セクターであり、市況悪化時の業績変動が大きい
2027年3月期から累進配当(配当性向40%目標)の導入を検討中だが、確定ではない [7]
現時点では「過熱」判定のため、即座の買いは推奨しない。テクニカル指標が中立圏まで冷えた段階で検討するのが合理的。
制約と注意点¶
株価データはstooq.comから取得(最終取得日: 2026-03-05)[8]
財務指標は各種金融情報サイトからの取得値であり、速報値・予想値を含む
配当利回りは株価変動により日々変動する
連続増配の実績は将来の増配を保証するものではない
出典¶
"三菱HCキャピタル、27期連続の増配を発表". ダイヤモンド・ザイ, 2026.
"おすすめ高配当株: 三菱HCキャピタル". ダイヤモンド・ザイ, 2026.
"各銘柄の財務指標". Yahoo!ファイナンス, 2026.
"ソフトバンク 配当情報". ソフトバンク公式, 2026.
"NTTとソフトバンクの比較". LIMO, 2025.
"NTT 配当情報". みんかぶ, 2026.
"商船三井、配当性向40%視野". 日本経済新聞, 2024.
"stooq.com 株価データ". stooq, 2026.
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