防衛関連: 財務分析

概要

防衛関連3銘柄(三菱重工業・川崎重工業・IHI)の株価推移と財務指標を分析する。防衛費増額(GDP比2%目標)を背景に中期的な成長が期待されるセクターだが、イラン攻撃後の株価は一時上昇後に反落する動きを見せた。

イラン攻撃前後の株価推移

騰落率サマリー

コード

銘柄名

攻撃前終値 (2/27)

直近終値 (3/5)

騰落率

52週高値

52週安値

52週位置

7011

三菱重工業

5,014

4,769

-4.9%

5,208

2,055

86.1%

7012

川崎重工業

18,255

16,650

-8.8%

18,830

5,980

83.0%

7013

IHI

4,303

3,921

-8.9%

4,698

1,207

77.7%

3銘柄とも3/2(月)に上昇(三菱重工: +3.6%、川崎重工: +0.7%、IHI: +3.0%)した後、3/3以降に大幅反落した。防衛セクターへの期待買いが先行したが、市場全体のリスクオフが防衛株にも波及した形である。

日次終値推移(2/17〜3/5)

日付

三菱重工業 (7011)

川崎重工業 (7012)

IHI (7013)

2/17

4,820

16,940

3,920

2/18

4,952

16,945

4,040

2/19

4,952

17,270

4,168

2/20

4,965

17,915

4,384

2/24

4,811

17,195

4,133

2/25

4,752

17,400

4,010

2/26

4,901

17,580

4,160

2/27

5,014

18,255

4,303

3/2

5,195

18,375

4,431

3/3

4,922

17,285

4,215

3/4

4,627

16,015

3,902

3/5

4,769

16,650

3,921

テクニカル指標(3/5時点)

コード

銘柄名

RSI(14)

5日MA乖離

25日MA乖離

BB位置

出来高比

判定

7011

三菱重工業

43.6

-2.8%

-1.2%

43%

1.0倍

中立

7012

川崎重工業

41.4

-3.8%

+3.1%

56%

1.0倍

中立

7013

IHI

44.5

-5.6%

-2.0%

43%

1.0倍

中立

注釈

指標の読み方

  • RSI(14): 70超 = 買われすぎ、30未満 = 売られすぎ、30-70 = 中立圏

  • MA乖離: 移動平均線からの乖離率。正 = MAより上(強気)、負 = MAより下(弱気)

  • BB位置: ボリンジャーバンド(25日±2σ)内の位置。0%=下限、100%=上限、範囲外は統計的に異常

  • 出来高比: 直近5日平均/25日平均。1.5倍超は出来高急増を示す

  • 判定: RSI・25日MA乖離率・BB位置を総合した過熱/売られすぎの評価

3銘柄ともRSI 41〜45の中立圏にあり、イラン攻撃後の急落が一巡して過熱感は解消されている。5日MA乖離がマイナスで短期的にはやや弱含みだが、25日MA乖離は小幅で中期トレンドからの大きな逸脱はない。出来高も平常水準に戻っている。

財務指標

コード

銘柄名

PER (予)

PBR

ROE

配当利回り

時価総額

7011

三菱重工業

61.5倍

6.03倍

10.69%

0.50%

16兆7,063億円

7012

川崎重工業

33.3倍

3.71倍

13.16%

0.90%

2兆8,874億円

7013

IHI

37.2倍

8.25倍

26.29%

0.49%

4兆8,724億円

3社とも配当利回りは1%未満と低く、キャピタルゲイン狙いの銘柄である。IHIはROE 26.29%と資本効率が高いが、PBR 8.25倍とプレミアム評価。三菱重工はPER 61.5倍と成長期待が大きく織り込まれている [4][5][6]。

三菱重工業 (7011) 詳細

基本情報

項目

内容

コード

7011

市場

東証プライム

セクター

機械

直近株価

4,769円 (3/5)

52週レンジ

2,055 〜 5,208円

業績推移

  • 26年3月期Q3累計: 売上収益3兆3,269億円(前年同期比+9.2%)、事業利益3,012億円(同+25.5%)[4]

  • 26年3月期通期予想: 売上高5兆4,000億円(過去最高)、事業利益4,100億円(+16%)、純利益2,600億円

  • 受注高見通し: 6兆7,000億円(6,000億円の上方修正)

  • 「航空・防衛・宇宙」セグメント: 同31.0%増の1兆3,500億円 [1]

アナリスト評価

  • 目標株価: 平均5,252円(強気買い11人・買い1人・中立3人)[2]

  • 時価総額は直近3年半で約9倍に成長(同期間の日経平均は1.7倍)

投資判断のポイント

  • 防衛費増額の構造的追い風は中長期で継続

  • ただし攻撃直後の株価は「材料出尽くし」的な反落を見せており、短期的には押し目の可能性

  • 配当利回りは約0.5%と低く、キャピタルゲイン狙いが主体

  • 52週レンジの86.1%に位置しており、高値圏での推移

川崎重工業 (7012) 詳細

基本情報

項目

内容

コード

7012

市場

東証プライム

セクター

輸送用機器

直近株価

16,650円 (3/5)

52週レンジ

5,980 〜 18,830円

業績推移

  • 26年3月期Q3累計: 売上収益1兆5,614億円(前年同期比+10.9%)、事業利益824億円(同+4.3%)[5]

  • 26年3月期Q3累計最終利益: 658億円(前年同期比+49.1%)

  • 26年3月期通期予想: 売上収益2兆3,400億円、事業利益1,450億円、最終利益900億円

  • アナリスト目標株価: 16,158〜17,010円(強気買い8、買い3、中立1)[5]

  • 防衛事業売上: 22年度2,400億円 → 30年度目標5,000-7,000億円

  • 2026年4月1日に1株→5株の株式分割を予定

投資判断のポイント

  • 防衛事業の成長率が3社中で最も高い見通し

  • 攻撃後の下落率(-8.8%)は三菱重工(-4.9%)より大きく、ボラティリティが高い

  • 52週レンジの83.0%に位置

  • 最終利益は前年同期比+49.1%と大幅増益

IHI (7013) 詳細

基本情報

項目

内容

コード

7013

市場

東証プライム

セクター

機械

直近株価

3,921円 (3/5)

52週レンジ

1,207 〜 4,698円

業績推移

  • 26年3月期Q3累計: 売上収益1兆1,293億円(前年同期比-1.8%)、営業利益1,025億円(同-0.9%)[6]

  • 26年3月期Q3累計最終利益: 850億円(前年同期比+10.7%)

  • アナリスト目標株価: 3,935円(強気買い4、買い2、中立4)[6]

  • 防衛事業売上: 22年度1,000億円規模 → 30年度目標2,500億円

  • 2025年10月に1株→7株の株式分割を実施済み

投資判断のポイント

  • 3社中で最も下落率が大きい(-8.9%)

  • 52週レンジの77.7%に位置し、3社では最も低い位置にある

  • ROE 26.29%はカテゴリー内で突出して高い資本効率

  • 航空エンジンという技術特化で差別化されているが、ボラティリティも高い

制約と注意点

  • 株価データはstooq.comから取得(最終取得日: 2026-03-05)[3]

  • 財務指標は調査中の項目を含む

  • イラン攻撃後の株価動向は短期的なものであり、中長期の投資判断とは区別して考える必要がある

出典

  1. "三菱重工の通期見通し、売上高・当期益過去最高". 日刊工業新聞, 2025.

  2. "三菱重工業 アナリストの予想株価・プロ予想". みんかぶ, 2026.

  3. "stooq.com 株価データ". stooq, 2026.

  4. "三菱重工業 決算情報". Yahoo!ファイナンス, 2026.

  5. "川崎重工業 決算情報". Yahoo!ファイナンス, 2026.

  6. "IHI 決算情報". Yahoo!ファイナンス, 2026.


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