エネルギー・金: 財務分析

概要

エネルギー関連(INPEX)と金関連(純金上場信託)の株価推移と財務指標を分析する。地政学リスクの直接的な受益セクターであり、イラン攻撃後には原油価格・金価格の上昇を反映して堅調に推移した。

イラン攻撃前後の株価推移

騰落率サマリー

コード

銘柄名

攻撃前終値 (2/27)

直近終値 (3/5)

騰落率

52週高値

52週安値

52週位置

1605

INPEX

3,800

4,161

+9.5%

4,210

1,651

98.1%

1540

純金上場信託

24,610

24,495

-0.5%

26,585

12,805

84.8%

INPEXは原油価格上昇を直接反映し、攻撃後に急騰。52週高値(4,210円)に迫る98.1%の位置にある。純金上場信託は3/2に25,665円まで急騰した後、利益確定売りで3/5には24,495円まで反落した。

日次終値推移(2/17〜3/5)

日付

INPEX (1605)

純金上場信託 (1540)

2/17

3,567

22,975

2/18

3,598

23,175

2/19

3,719

23,800

2/20

3,677

23,825

2/24

3,708

24,485

2/25

3,620

24,690

2/26

3,685

24,660

2/27

3,800

24,610

3/2

4,031

25,665

3/3

4,017

25,460

3/4

3,872

24,650

3/5

4,161

24,495

テクニカル指標(3/5時点)

コード

銘柄名

RSI(14)

5日MA乖離

25日MA乖離

BB位置

出来高比

判定

1605

INPEX

54.6

+4.6%

+13.3%

105%

1.8倍

過熱

1540

純金上場信託

54.5

-1.9%

+1.2%

57%

0.7倍

中立

注釈

指標の読み方

  • RSI(14): 70超 = 買われすぎ、30未満 = 売られすぎ、30-70 = 中立圏

  • MA乖離: 移動平均線からの乖離率。正 = MAより上(強気)、負 = MAより下(弱気)

  • BB位置: ボリンジャーバンド(25日±2σ)内の位置。0%=下限、100%=上限、範囲外は統計的に異常

  • 出来高比: 直近5日平均/25日平均。1.5倍超は出来高急増を示す

  • 判定: RSI・25日MA乖離率・BB位置を総合した過熱/売られすぎの評価

INPEX は「過熱」判定。25日MA乖離率+13.3%、BB位置105%(バンド上限を突破)は統計的に異常な高値圏にあることを示す。出来高比1.8倍も急増しており、原油高への期待買いが集中している状態。RSIは54.6と中立圏だが、これは3/4の一時的な下落(3,872円)が直近の上昇分を一部相殺しているため。短期的な調整リスクに注意が必要。

純金上場信託は全指標が中立圏で、3/2の急騰(25,665円)からの調整が完了し安定局面に入っている。

財務指標

コード

銘柄名

PER (予)

PBR

ROE

配当利回り

時価総額

1605

INPEX

14.5倍

1.00倍

6.95%

2.68%

5兆2,392億円

1540

純金上場信託

なし

INPEXはPBR 1.00倍と純資産価値とほぼ同等の株価水準。PER 14.5倍は資源セクターとして標準的な水準 [6][7]。純金上場信託はETFのため財務指標は該当しない(信託報酬0.539%)。

INPEX (1605) 詳細

基本情報

項目

内容

コード

1605

市場

東証プライム

セクター

鉱業

直近株価

4,161円 (3/5)

52週レンジ

1,651 〜 4,210円

年間配当

100円(中間50円+期末50円)

業績推移

  • 25年12月期実績: 売上収益2兆113億円(前期比11.2%減)、営業利益1兆1,354億円(同10.7%減)[1]

  • 26年12月期予想: 売上収益1兆8,930億円(前期比5.9%減)、営業利益9,570億円(同15.7%減)[6]

  • 原油価格下落が主因だが、イラン情勢による原油高は26年度の業績を押し上げる可能性

  • アナリスト目標株価: 平均3,514円(中立、11名)、レンジ2,750〜4,300円 [7]

  • 累進配当方針: 年間90円を起点に減配なし。26年12月期予想配当は108円(増配)

  • 総還元性向50%以上(累進配当+機動的な自己株式取得)

株価とシナリオの関係

INPEXの株価は原油価格と強い相関がある。シナリオ分析で示した3つのケースとの関係:

シナリオ

原油WTI想定

INPEX株価への影響

短期収束

+10ドル程度

一時的な上昇、その後正常化

膠着状態

87ドル前後

現状水準で推移

長期化・拡大

140ドル超

大幅な上昇余地

投資判断のポイント

  • 配当利回り約2.6%(直近株価4,161円、予想配当108円基準) [6]

  • 52週高値にほぼ到達(98.1%)しており、短期的な過熱感に注意

  • 原油価格の推移が最大の変動要因

  • 累進配当方針により、下落局面でも配当収入は安定

純金上場信託 (1540) 詳細

基本情報

項目

内容

コード

1540

市場

東証

種別

金ETF

直近基準価額

24,495円 (3/5)

52週レンジ

12,805 〜 26,585円

配当

なし

金価格の動向

  • ドル建て金価格は2026年に5,000ドルの大台到達が複数の大手金融機関で予想 [2][3]

  • 円建て1グラム26,465円と歴史的高値を記録

  • J.P.モルガンは2026年の各国中央銀行による金購入量を年間750-760トンと予測

投資判断のポイント

  • NISAの成長投資枠で売却益非課税のメリットが大きい

  • 3/2に急騰(+4.3%)後に反落しており、短期的なボラティリティに注意

  • 市場価格と基準価額の乖離が発生するリスクがある [4]

  • シティグループは2026年後半に2,500-2,700ドルまでの下落可能性を指摘

制約と注意点

  • 株価データはstooq.comから取得(最終取得日: 2026-03-05)[5]

  • INPEXの業績は原油価格に強く連動するため、イラン情勢の展開により大幅に変動する可能性

  • 純金上場信託は為替(ドル円)の影響も受ける

出典

  1. "利回り4.6%も。INPEX、ENEOSなど高配当5銘柄". 楽天証券トウシル, 2025.

  2. "2026年の金相場、5000ドル超え予想も". 日本経済新聞, 2025.

  3. "26年の「金相場」は5000ドルに到達へ". ダイヤモンド・オンライン, 2025.

  4. "純金信託、市場価格が基準価格と乖離". 日本経済新聞, 2025.

  5. "stooq.com 株価データ". stooq, 2026.

  6. "INPEX 決算情報". Yahoo!ファイナンス, 2026.

  7. "INPEX アナリストコンセンサス". みんかぶ, 2026.


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